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近露の塀 fence in CHIKATSUYU
改築|塀|木造|総長 28.8m|和歌山県田辺市
施工:東宝建設
杉中浩之の個人作品。来たる南海地震に備えて老朽化した塀を改修したいという施主の思いと、熊野古道沿道における景観の在り方に、黒色の 板塀という形で回答しました。

全景。前面道路が傾斜しており、端部では道路から高くなるため、威圧感を与えないように塀の高さを決定しました。現在もバスが通る旧国道のため舗装されていますが、前面道路は熊野古道。

クロキと呼ばれる材(栂)で作られた母屋との関係、熊野古道沿道の背景としての在り方から、黒色を選択しました。

相互の様子が垣間見えるよう、板の隙間を少しだけあけています。遠景の山並みと、近景としての庭の樹木の間にある、緑を際立たせる背景としての塀。


元はコンクリート塀でした。無筋だったため安全性には難ありでしたが、50年以上にわたり行き交う人々を見守ってきた歴史と風情がありました。それらを継承するために残した傾いた門柱が物語っています。
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